Chapter11 「なかったことにする」
断捨離と言う言葉が最近流行っている。
私はいらないものは捨てる。過去は振り返らない男。
時にいるものも捨てる。
2年前に買ったシュレッダーが部屋の掃除にそこはかとなく役立っている。
いるかもしれない、いらないかもしれない。
そういうものをシュレッダーという魔法の箱にかけると、本当に私の人生に必要であるものなら、裁断されずに出てくるはずだ。真実の口的な。
細かくなって出てくるものならそれはきっと必要のないものだったのだ。そうに違いない。
今日も今日とてシュレッダーは回り、いらないものは細かくなって消える。
そう、それが年末調整の証明書だとしても。